エモンデとは?洋菓子作りに欠かせない下処理の技術
スイーツを学びたい
エモンデって、洋菓子と和菓子の世界で、皮をむくための特別な方法のことみたいですね。具体的にどんな時に使うんですか?
スイーツ研究家
そうですね、エモンデは主に果物やナッツの皮をむきやすくするために使います。熱湯と氷水を使うことで、皮だけが剥がれやすくなるんです。例えば、桃のコンポートを作るときや、アーモンドをケーキに使うときなどに利用します。
スイーツを学びたい
なるほど!熱湯でさっと茹でて、すぐに氷水で冷やすのがポイントなんですね。でも、どうしてそうすると皮がむきやすくなるんですか?
スイーツ研究家
熱を加えることで皮と実の間に隙間ができ、急激に冷やすことで皮が収縮するからです。この温度差によって、皮がむきやすくなるんですよ。ただし、果物やナッツの種類によって、茹でる時間や冷やす時間に注意する必要があります。
エモンデとは。
「西洋菓子」と「日本の菓子」で使われる言葉で、『エモンデ』という処理があります。これは、フランス語で湯むきを意味し、英語ではブランシュと言います。やり方としては、まず熱湯と冷水を用意し、トマト、桃、ぶどう、アーモンド、ピスタチオなどを熱湯に短時間浸した後、冷水で冷やして皮をむきます。トマトや桃、ぶどうのように果肉や皮が柔らかいものは、軽く湯に通す程度で、実が崩れるのを防ぎます。枇杷などもこの方法で皮をむくことができます。アーモンドやピスタチオの場合は、10秒から50秒ほど茹でます。アーモンドは水にさらしてから皮をむき、ピスタチオは冷水につけずに、温かいうちに皮をむくときれいに仕上がります。ただし、水につける時間が長すぎると風味が損なわれる可能性があるため、冷やすのは熱が取れる程度にとどめましょう。
エモンデの基本
洋菓子作りの世界では、素材の持ち味を最大限に引き出すために、入念な準備が欠かせません。その中でも「湯むき」と呼ばれる技法は、特定の素材の皮を剥きやすくし、口当たりを滑らかにするために用いられます。湯むきとは、フランス語で「エモンデ」と書き、英語では「ブランチ」と表現される技術です。具体的には、沸騰したお湯と氷水を用意し、トマト、桃、葡萄などの果物や、扁桃、 Pistacia vera などの種実類を順番に熱湯に入れ、すぐに氷水で冷やして皮を剥く作業を指します。この工程を経ることで、果皮が柔らかい果物は容易に皮が剥けるようになり、種実類は薄皮が取り除きやすくなります。湯むきは単に皮を剥くだけではなく、素材の風味を損なわずに、より美味しく、そして美しく仕上げるための重要な技術なのです。特に洋菓子においては、見た目の美しさも重要な要素であるため、湯むきのような丁寧な下準備が、最終的な完成度を大きく左右すると言えるでしょう。
技法名 | 説明 | 対象素材 | 目的 | 洋菓子における重要性 |
---|---|---|---|---|
湯むき (エモンデ / ブランチ) | 熱湯と氷水を使用して皮を剥きやすくする | トマト、桃、葡萄などの果物、扁桃、Pistacia vera などの種実類 | 皮を剥きやすくし、口当たりを滑らかにする。風味を損なわずに美味しく、美しく仕上げる | 見た目の美しさが重要な洋菓子において、最終的な完成度を大きく左右する |
果物のエモンデ
果物のエモンデ、つまり湯むきは、果物の風味と食感を高めるための技法です。トマトや桃、葡萄といった果物は、加熱に弱く、熱湯に浸しすぎると果肉が崩れる恐れがあります。そのため、熱湯に浸す時間はほんの数秒にとどめ、表面をさっと湯通しする程度が肝要です。皮が柔らかくなったと感じたら、直ちに氷水に移して冷やします。この冷却作業は、加熱を止め、余熱による過剰な加熱を防ぐと同時に、皮と果肉の間に隙間を作り、皮を剥きやすくする効果があります。桃の場合、お尻に浅く十字の切り込みを入れてから湯むきすると、より簡単に皮が剥けます。葡萄は、房から外し、一粒ずつ丁寧に湯むきするのが一般的です。湯むきされた果物は、菓子やケーキの飾り付け、あるいは保存食の材料として、その美しい色合いと滑らかな食感を活かすことができます。
果物のエモンデ (湯むき) | 説明 |
---|---|
目的 | 風味と食感を高める |
注意点 | 加熱に弱い果物があるため、加熱しすぎに注意 |
湯通し時間 | ほんの数秒 (表面をさっと湯通し) |
冷却方法 | 氷水で冷却 (加熱を止め、余熱を防ぐ) |
冷却効果 | 皮と果肉の間に隙間を作り、皮を剥きやすくする |
桃のコツ | お尻に十字の切り込みを入れる |
葡萄のコツ | 房から外し、一粒ずつ |
用途 | 菓子やケーキの飾り付け、保存食の材料 |
種実のエモンデ
種実のエモンデは、果物とは異なり、硬い皮を処理する必要があります。例えば、扁桃は熱湯に十秒から五十秒ほど浸し、冷水に取ってから手で揉むと皮が剥けます。 Pistachioの場合は、冷水に晒さず、温かいうちに剥くのが綺麗に仕上げる秘訣です。冷やすと皮が硬くなり、却って剥きにくくなります。どちらの種実も、水に浸ける時間を最小限にすることで、風味の劣化を防ぎます。エモンデした種実は、菓子作りの材料として幅広く活用できます。そのまま使うのはもちろん、焼いて香りを高めたり、細かく刻んで生地に混ぜ込んだりするのも良いでしょう。自家製のマジパンやプラリネを作る際には、エモンデした扁桃が欠かせません。
種実 | 処理方法 | ポイント | 用途例 |
---|---|---|---|
扁桃 | 熱湯に10-50秒浸し、冷水に取ってから手で揉む | 水に浸ける時間を最小限にする | マジパン、プラリネ |
Pistachio | 熱湯に浸した後、冷水に晒さず温かいうちに剥く | 冷やすと皮が硬くなる | 菓子材料としてそのまま、焼いて、刻んで生地に混ぜる |
エモンデの注意点
洋菓子作りにおけるエモンデは、素材の皮むきを容易にし、風味を引き立てるための重要な下処理です。しかし、その工程にはいくつかの注意点があります。まず、素材の種類や状態に合わせた加熱時間と冷却時間の調整が不可欠です。加熱が不十分だと皮が剥けにくく、過剰だと風味が損なわれます。また、冷却が不十分だと余熱で素材が煮え過ぎてしまうことがあります。素材の状態を常に観察し、臨機応変に対応しましょう。初めて扱う素材の場合は、少量で試してから全体に取り掛かるのが賢明です。熱湯は必ず沸騰させ、氷水は氷が溶け過ぎないように注意が必要です。使用する器具も清潔に保ち、衛生面に配慮しましょう。これらの点に留意することで、素材本来の味を活かした、より美味しい洋菓子を作ることができます。
工程 | 注意点 |
---|---|
加熱 | 素材の種類と状態に合わせた加熱時間 |
冷却 | 素材の種類と状態に合わせた冷却時間、氷水の温度管理 |
観察 | 素材の状態を常に観察し、臨機応変に対応 |
試作 | 初めての素材は少量で試す |
熱湯 | 必ず沸騰させる |
氷水 | 氷が溶け過ぎないように注意 |
器具 | 清潔に保つ |
エモンデを活用した洋菓子
洋菓子において、素材の持ち味を最大限に引き出すために「エモンデ」という下処理が用いられます。例えば、皮を剥き、種を取り除いたトマトは、その甘味と酸味がタルトや焼き菓子に深みを与えます。同様に、桃をエモンデすることで、見た目の美しさと滑らかな食感が引き立ち、菓子の風味を上品に彩ります。また、エモンデした扁桃は、風味と香ばしさが凝縮され、焼き菓子や飴掛けの材料として、濃厚な味わいを加えることができます。素材選びにこだわり、旬の果物や厳選された木の実を用いることで、エモンデの効果はさらに高まり、より一層美味しい洋菓子へと仕上がります。エモンデは、単なる下処理ではなく、洋菓子の品質を左右する重要な工程と言えるでしょう。
素材 | エモンデの効果 | 菓子の風味への影響 |
---|---|---|
トマト | 皮むき、種取り | 甘味と酸味の深化 |
桃 | 皮むき | 美しさ、滑らかな食感、上品な風味 |
扁桃 | 皮むき | 風味と香ばしさの凝縮、濃厚な味わい |