おこし

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日本の伝統菓子:干菓子の魅力と種類

干菓子は、水分を極限まで減らした和菓子の総称です。乾燥しているため、日持ちが良いのが特徴です。茶席でよく用いられ、見た目の繊細さと上品な甘さが好まれます。製法や材料によって種類は豊富で、それぞれに独特の風味と食感があります。水分が少ない分、素材の味が凝縮されており、口の中でゆっくりと変化する味を楽しめます。美しい色彩や形も魅力で、日本の美意識が表れています。近年では、伝統的な製法を守りつつ、新しい素材やデザインを取り入れたものも登場し、その可能性は広がっています。贈り物としても喜ばれ、日本の心を表すものとして、国内外で評価されています。海外の方にとっては、繊細な美しさと独特の味わいが、日本文化への興味を深めるきっかけにもなります。干菓子は、日本の伝統を守りながら、新しい世代にも愛される存在として発展していくでしょう。
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新引粉・真引粉:和菓子の奥深さを知る

和菓子作りにおいて、繊細な風味と独特の食感を演出するために欠かせない素材が「新引粉(しんびきこ)」または「真引粉(まびきこ)」です。別名「イラ粉」とも呼ばれます。これは、単なる穀粉ではなく、職人の技術が凝縮された特別な素材です。 新引粉・真引粉は、もち米を蒸して乾燥させた道明寺粉をさらに細かく砕いたものが基本となります。この工程により、口に入れると溶けるような、きめ細かい粉になります。しかし、重要なのはその後の「煎る」工程です。通常の焙煎機ではなく、昔ながらの炒り釜を使って、焦げ付かないようにじっくりと火を通すことで、香ばしさを引き出します。 この火加減の調整には、長年の経験と勘が求められます。煎り具合によって、色、風味、食感が大きく変わるため、和菓子職人は菓子の特性に合わせて最適な状態を見極めます。新引粉・真引粉は、職人の手によって丹精込めて作られる、奥深い和菓子の世界を支える重要な要素なのです。
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深引粉とは?和菓子の隠れた名脇役

深引粉は、和菓子作りに用いられる特別な粉で、その製法は独特です。まず、蒸したもち米を乾燥させて粗く砕いた道明寺粉を作ります。この道明寺粉を、さらに非常に細かく粉砕する工程が「深引」と呼ばれる理由です。深引粉作りで最も大切なのは、焦げ付かないよう、色が変わらないように注意深く煎ることです。この工程で香ばしさが加わり、食感が軽くなります。熟練の職人の技術が不可欠であり、もち米由来の優しい甘さと、ほのかな香ばしさが特徴です。深引粉は他の材料の風味を損なうことなく、上品な味わいを引き立て、微細な粒子が独特の口溶けの良さを生み出します。手間暇かけて作られる深引粉は、和菓子の美味しさを支える重要な素材の一つです。
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かけ物:甘味を纏う伝統の和菓子

かけ物とは、砂糖や水飴などを煮詰めた糖液を使い、表面にかけたり混ぜ込んだりして作る和菓子の一種です。この製法により、素材本来の風味を生かしつつ、甘さと独特の食感を加えることができます。おこしのように糖液を混ぜて固めるもの、甘納豆や砂糖漬けのように素材を糖液に浸したり煮詰めたりするものも、かけ物に含まれます。表面に薄い糖衣をかけたものから、厚く糖蜜をかけたものまで、製法は様々で見た目も美しいのが特徴です。かけ物は古くから茶席や贈り物として重宝され、日本の食文化において大切な役割を担ってきました。地域やお店によって製法に工夫が凝らされており、砂糖の種類や煮詰め具合、素材の組み合わせを変えることで、様々な味わいが生まれます。近年では、伝統的な製法を守りながらも、新しい素材や風味を取り入れたかけ物も登場し、その魅力は広がり続けています。日本の四季折々の素材を活かしたものが多く、季節を感じられるのも魅力の一つです。春は桜や苺、夏は抹茶や柑橘類、秋は栗や柿、冬は柚子や黒豆など、それぞれの季節に合わせた素材が使われ、見た目にも華やかで贈り物としても喜ばれます。かけ物の種類は非常に豊富で、地域によって特色のあるものが多く存在します。旅行先で様々なかけ物を味わうのも、日本の食文化に触れる良い機会となるでしょう。伝統を守りながらも進化を続けるかけ物は、今後も多くの人々に愛され続けるでしょう。