
端午の節句に味わう伝統の味、粽の魅力
五月五日の端午の節句には、鯉幟を掲げ、菖蒲湯に浸かる風習がありますが、粽もまた欠かせない存在です。この時期、和菓子店や食料品店には様々な粽が並びます。では、なぜ端午の節句に粽を食すのでしょうか。その起源は古代中国に遡ります。楚の時代の政治家であり詩人でもあった屈原が、国の行く末を案じ、川に身を投じました。人々は彼の死を悼み、彼の霊を慰めるため、米を笹の葉で包み、川に投げ入れたのが粽の始まりとされています。この風習が日本に伝わり、端午の節句に無病息災を願って粽を食す習慣となりました。日本における粽は、単なる食べ物ではなく、歴史と文化が凝縮された特別な存在なのです。地域によって形状や材料、味付けに差異が見られるのも魅力の一つです。各家庭や地域で代々受け継がれてきた粽の味を味わうことは、日本の伝統文化に触れることにも繋がります。端午の節句には、家族揃って粽を囲み、その歴史や意味を語り合うのも良いでしょう。