
エモンデとは?洋菓子作りに欠かせない下処理の技術
洋菓子作りの世界では、素材の持ち味を最大限に引き出すために、入念な準備が欠かせません。その中でも「湯むき」と呼ばれる技法は、特定の素材の皮を剥きやすくし、口当たりを滑らかにするために用いられます。湯むきとは、フランス語で「エモンデ」と書き、英語では「ブランチ」と表現される技術です。具体的には、沸騰したお湯と氷水を用意し、トマト、桃、葡萄などの果物や、扁桃、 Pistacia vera などの種実類を順番に熱湯に入れ、すぐに氷水で冷やして皮を剥く作業を指します。この工程を経ることで、果皮が柔らかい果物は容易に皮が剥けるようになり、種実類は薄皮が取り除きやすくなります。湯むきは単に皮を剥くだけではなく、素材の風味を損なわずに、より美味しく、そして美しく仕上げるための重要な技術なのです。特に洋菓子においては、見た目の美しさも重要な要素であるため、湯むきのような丁寧な下準備が、最終的な完成度を大きく左右すると言えるでしょう。