
麦の穂が香る、愛らしいフランス菓子「エピ」の世界
エピは、フランス語で「麦の穂」を意味し、その名の通り麦の穂を模した模様が特徴的な焼き菓子です。主に、豊かな風味の奶油(バター)を贅沢に使ったパイ生地で作られ、口に含むと軽快な歯触りとともに、奶油の香りが広がります。その可愛らしい見た目から、お茶請けとしてはもちろん、贈り物としても喜ばれています。仏蘭西では昔ながらの菓子として親しまれており、地域や店によって様々な種類があります。素朴な風味に加え、苦可可(チョコレート)や木の実、乾燥果実などを加えたものや、香辛料を効かせたものなど、様々な工夫が凝らされています。近年では、日本国内の洋菓子店でも見かけるようになり、その洗練された味と美しい見た目から人気を集めています。エピは、単なる菓子としてだけでなく、仏蘭西の豊かな食文化を象徴する存在として愛され続けています。麦の穂を模した意匠は、豊穣の象徴ともいえ、祝いの席や贈答品にも最適です。小さな姿の中に、仏蘭西の伝統と職人の技が凝縮されたエピは、まさに菓子の芸術品と言えるでしょう。