
柑橘の宝石、マ-マレ-ドの世界
柑橘類の果実、特に橙や檸檬の皮を用いて作られる果物加工品がマ-マレ-ドです。果肉だけでなく、独特の苦味や風味を持つ果皮を使用することが特徴です。その発祥については諸説ありますが、16世紀のスコットランドで、橙の保存方法として偶然生まれたという説が有力です。輸送中に傷んだ橙を有効活用するため、砂糖と一緒に煮詰めたのが始まりと伝えられています。当初は貴族の間で珍重されましたが、時を経て一般家庭にも広まり、世界中で親しまれるようになりました。マ-マレ-ドという名称は、葡萄牙語の「マルメロ」に由来するとも言われています。マルメロは西洋かりんの一種で、かつてはマルメロを用いた果物加工品が作られていたことから、柑橘系の果物加工品にもその名が引き継がれたと考えられています。製法や材料は地域によって異なり、多様な風味を楽しめるのも魅力の一つです。家庭で作る人も多く、それぞれの家庭の味が生まれています。マ-マレ-ドは、単なる果物加工品ではなく、歴史と文化が織り込まれた奥深い食品と言えるでしょう。