不飽和脂肪酸

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材料

洋菓子と和菓子を彩るオレイン酸:美味しさの秘密

オレイン酸は、炭素を十八個持つ不飽和脂肪酸の一種で、日々の食生活において重要な役割を果たしています。特に油脂類に豊富で、橄欖油や鰐梨油に多く含まれることで知られています。洋菓子では、例えば、可可油は主要な材料の一つであり、オレイン酸が独特の風味や食感を形成する上で欠かせない要素となっています。また、和菓子においては、直接的に添加されることは少ないものの、油脂を多く含む木の実類や種実類を使用する場合、間接的に風味が豊かになります。このように、普段意識することは少ないかもしれませんが、オレイン酸は身近な食品に広く存在し、美味しさを支えているのです。オレイン酸は酸化しにくい性質を持ち、食品の保存性や品質維持に貢献します。そのため、加工食品の原料として重宝され、洋菓子や和菓子の製造においても、その特性が活かされています。
製造過程

洋菓子と和菓子における水素添加の役割:風味と食感への影響

水素添加とは、油脂に含まれる不飽和脂肪酸に水素を加え、飽和脂肪酸に変える化学的な処理です。例えば、オレイン酸やリノール酸といった不飽和脂肪酸が、水素添加によってステアリン酸のような飽和脂肪酸へと変わります。この処理によって、油脂の性質は大きく変わります。特に大切なのは、酸化しにくくなることと、融点が高くなることです。油脂は、空気中の酸素や光、熱によって酸化しやすく、風味が落ちてしまいます。水素添加で飽和脂肪酸を増やすことで、酸化への抵抗力を高め、保存性を向上させます。また、融点が高くなることで、常温でも安定し、固体状の油脂として使いやすくなります。このような変化から、水素添加は食品を作る上で広く使われています。洋菓子や和菓子でも、水素添加された油脂は、製品の品質や口当たりを良くするために重要な役割を果たしています。しかし、水素添加の過程でトランス脂肪酸ができる可能性があり、健康への影響が心配されています。そのため、最近では水素添加の技術を改良したり、代わりの油脂を開発する動きが進んでいます。