
古代の甘味:唐菓子の歴史と変遷
奈良の時代、わが国は大陸の文化から大きな影響を受け、食の文化も大きく変わりました。中でも唐菓子と呼ばれるお菓子は特別な存在でした。唐菓子は、単なる食べ物としてだけでなく、当時の社会で大切な役割を果たしていました。醤油や納豆、胡麻油などと一緒に中国から伝わり、その種類は15種類にも及んだそうです。しかし、唐菓子が他と違っていたのは、その使われ方です。神様や仏様への儀式の供え物として、または身分の高い人々をもてなす高級なお菓子として大切にされました。当時、甘いものはとても貴重で、唐菓子は贅沢品の代表でした。小麦粉や米粉に塩などを加えて混ぜ、蒸したり油で揚げたりして作られたそうで、今のお菓子と比べても、とても手間がかかっていたと思われます。見た目も美しく、味も上品だったと考えられます。唐菓子は、当時の日本の食文化、特に儀式を行う上で欠かせないものだったと言えるでしょう。貴族や寺院での生活を知る手がかりにもなっています。唐菓子を通して、昔の日本の食文化における甘さの重要性や、大陸との交流を知ることができます。