
慶びを分かち合う日本の心、引菓子
引菓子とは、慶事や弔事の際に、主催者が参列者へ感謝の気持ちを込めて贈るお菓子のことです。特に婚礼においては、新郎新婦が新たな門出を祝し、親族や友人といった大切な人々へ喜びを分かち合う意味合いを持ちます。選ばれるお菓子は、日持ちの良い焼き菓子や、縁起の良い意味を持つ和菓子が多いですが、近年では洋菓子も人気です。
その起源は室町時代に遡るとされ、当時は婚礼の際に親族間で贈り物を交換する習慣があり、そのお菓子が原型になったと言われています。時代を経て、引菓子は一般にも広まり、現代のような形となりました。
引菓子は単なるお土産ではなく、感謝の気持ちを伝えるとともに、幸せを分かち合う大切な意味を持っています。そのため、相手を思いやり、喜んでもらえるお菓子を選ぶことが重要です。地域によって特色があり、地元の名産品を使ったお菓子や、特定の形や色のお菓子が縁起が良いとされることもあります。種類も豊富になり、伝統的な和菓子だけでなく、洒落た洋菓子や、独自の意匠を凝らしたお菓子も人気を集めています。インターネットを使えば、全国各地のお菓子を手軽に選ぶことも可能です。しかし、どんなに種類が増えても、引菓子の本質は変わりません。それは、感謝の気持ちを伝え、幸せを分かち合う、温かい心の交流です。