
和菓子の優美:棹物の世界
「棹物」という言葉は、日本の伝統的なお菓子である和菓子の一種を指します。具体的には、羊羹、琥珀羹、外郎など、細長い棒状の形をしたお菓子をまとめて棹物と呼びます。その形状が棹に似ていることが名前の由来です。棹とは、物を担いだり、水を漕いだりする際に使う棒のことです。また、棹物は「流し物」とも呼ばれます。これは、お菓子の生地を型に流し込んで固める製法に由来しています。棹物は、美しい見た目と、切り分けることで手軽に食べられることから、お茶席や贈り物としても重宝されてきました。羊羹のように日持ちするものが多いのも特徴です。切り口の美しさも魅力で、均等に切り分けられた棹物は見た目にも美しく、食べる人の心を和ませます。季節の模様をあしらったものや、色とりどりの素材を使ったものなど、様々な種類があり、目でも楽しめるお菓子です。製法や材料によって、様々な味わいを楽しむことができ、日本の美意識が凝縮されたお菓子と言えるでしょう。