杏子

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甘酸っぱい魅力:あんずの歴史と洋菓子・和菓子への応用

あんずは、学術的な名称を*Prunus armeniaca*といい、バラ科に属する落葉性の高い木です。その果実は、昔から食されてきました。生まれた場所は中国であり、およそ五千年以上も前から薬として使われていたという記録もあります。シルクロードを通って欧州に伝わり、今では世界中で育てられています。日本には平安時代に伝わったとされており、最初は観賞用として庭に植えられていましたが、江戸時代以降は食用としての栽培が広まりました。あんずの実は、初夏の頃に黄色や橙色に色づき、甘酸っぱい独特の味がします。そのまま食べるのはもちろん、果物の砂糖煮や蜜漬け、干しあんずなど、色々な調理方法で楽しまれています。また、種の中にある仁は、杏の種を原料とした豆腐の材料として知られています。このように、あんずは長い歴史の中で、色々な文化圏で利用されてきた、とても価値のある果実です。その味は、西洋菓子や日本の菓子に独自の風味を加え、多くの人々に好まれています。あんずの栽培は、比較的涼しい気候を好みます。日本では、長野県や青森県などが主な産地として知られています。これらの地域では、あんずを使った色々な特産品が作られており、観光客にも人気があります。