記事数:(2)

材料

製菓におけるサラダ油の役割と特性

サラダ油とは、生野菜にかける調味料の原料としても使われる、精製された植物油の一種です。低温でも固まらず、結晶化しない性質を持つため、冷たい料理に適しています。また、様々な調理や菓子作りにも利用されています。味や香りに癖がないため、素材本来の風味を損なうことなく、料理やお菓子の味を引き立てることが可能です。 サラダ油の原料は、油菜、綿実、大豆、胡麻、紅花、向日葵、玉蜀黍、米(米糠)、落花生など多岐にわたります。これらの原料から抽出された油は、精製されることで、より純度の高いサラダ油となります。 日本国内で「サラダ油」として販売するには、農林水産省が定める日本農林規格(JAS規格)を満たす必要があり、指定された原材料を使用し、認定された工場で製造されなければなりません。これは、消費者が安心して高品質なサラダ油を選べるようにするための制度です。JAS規格では、低温での凝固や白濁の有無、特定の温度での透明度などが厳格に定められています。
性質・現象

チョコレートの困りごと、脂肪移行とは?原因と対策

菓子の製造現場で時折問題となる脂肪移行は、特に油脂を多く含む素材をチョコレートで覆う際に発生しやすい現象です。具体的には、木の実や油脂分の多いクリーム、飴などをチョコレートで包む際に、これらの素材に含まれる油脂がチョコレートの層へとしみ出してしまうことを指します。この現象が発生すると、チョコレートの表面に白い斑点が現れたり、粉を吹いたような状態になったりして、見た目が損なわれます。また、口に入れた時のなめらかな舌触りが失われ、風味が変化してしまうこともあります。このような状態は、商品価値を大きく下げる要因となるため、製造者は細心の注意を払う必要があります。脂肪移行を防ぐためには、製造時の温度管理や、原材料の選定が重要となります。適切な対策を講じることで、見た目も美しく、口溶けの良い、高品質な菓子を提供することができるのです。