
京菓子の主役、寒梅粉とは?知られざる魅力と製法
寒梅粉は、京都を中心とした地域で作られる打物菓子や押物といった和菓子に不可欠な主原料です。名前から想像しづらいかもしれませんが、実は餅を加工して作られる粉なのです。製法としては、まず餅をつき、それを非常に薄く伸ばして鉄板で丁寧に焼き上げます。この焼き上げたものを挽いて粉末にしたものが、みじん粉と呼ばれます。寒梅粉は、このみじん粉をさらに細かくするために篩にかけることで得られる、より上質なみじん粉、つまり「上みじん粉」のことを指します。この工程を経ることで、寒梅粉独特のきめ細やかで上品な舌触りが生まれるのです。
寒梅粉は製法だけでなく、原料にもこだわりがあります。特に舌触りの良さと、口に広がる香りを重視して、新米が用いられることが多いのが特徴です。新米ならではの甘みと香りが、寒梅粉を使った和菓子の風味を一層引き立てます。また、新米を粉に挽く時期が、ちょうど寒中の梅の花が咲く頃であることから、「寒梅粉」という名前が付いたという説があります。寒梅粉は、日本の豊かな自然と職人の技術が融合した、奥深い魅力を持つ素材と言えるでしょう。