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材料

乳糖:洋菓子と和菓子への影響と使用上の注意

乳糖は、哺乳類の乳に含まれる主要な糖であり、炭水化物の一種です。これは、葡萄糖と Galactose という二つの単糖が結合した二糖類です。自然界では、牛乳や発酵乳、チーズなどの乳製品に多く含まれています。乳糖は、砂糖に比べて甘味が穏やかであるため、お菓子作りに使う際は、他の甘味成分と組み合わせて甘さを調整することがあります。 乳糖には、α型とβ型という二種類の異性体が存在します。これらの異性体は、水への溶けやすさや結晶化の性質が異なり、お菓子の口当たりや保存状態に影響を与えることがあります。特に、チョコレートを作る際には、乳糖が結晶化することで表面に白い斑点ができることがあります。これは見た目を損なうだけでなく、風味にも影響します。そのため、チョコレートを作る際には、乳糖の量を調整したり、結晶化を防ぐ工夫が必要です。 また、乳糖は、人によってはアレルギー反応を引き起こすことがあります。乳糖を十分に分解できない体質の人は、乳製品を摂るとお腹が痛くなったり、下痢をしたりすることがあります。このような方のために、乳糖を減らしたり、除去した乳製品や、乳糖を含まない食品が開発されています。お菓子作りにおいても、乳糖が苦手な人でも安心して食べられるレシピや、乳糖を含まない材料を使ったお菓子が増えています。 乳糖は、お菓子の風味や口当たり、保存状態など、様々な側面に影響を与える重要な成分です。お菓子を作る際には、乳糖の特性を理解し、適切に使うことが大切です。
性質・現象

チョコレートの物性:イールド(降伏値)とは?

菓子の世界、特にチョコレートにおいては、専門的な言葉が品質を左右します。今回は「イールド」について解説しましょう。これは英語の「yield value」に由来し、チョコレートの流動性を表す重要な指標です。辞書的な意味合いには「屈する」といった意味がありますが、チョコレートにおいては、静止状態から流れ出すために必要な最小限の力を指します。イールドが高いチョコレートは、見た目は柔らかそうでも実際には流れにくく、「ボテる」状態になります。この「ボテる」とは、チョコレートが滑らかに流れず、塊のようになってしまう様子を意味します。製造においては、イールドの調整が不可欠です。例えば、表面を覆うチョコレートは薄く均一に広がるようにイールドを低く、生チョコレートのように形状を保つ必要があるものはある程度のイールドが必要となります。このように、イールドは種類や用途によって最適な値が異なるため、製造者は常に注意深く調整する必要があります。